ABYSSAL PORTFOLIO / 水深 0032M
深海に、
ありえない光。
ここは太陽の届かない世界。そのまっただなかを、ネオンでできた金魚が静かに泳いでいる。ページを潜るほど、金魚は別の魚のかたちを借りて深くへ向かう。いちばん底まで、追いかけてみてほしい。
水深 0200M / TWILIGHT ZONE
光が薄れて、
輪郭だけが残る。
水深200メートル。太陽の名残がかろうじて届く、うすあかりの層。ここでは色が意味を失いはじめ、生きものは輪郭と影で語りあう。金魚は翼をひろげ、マンタのかたちを借りて滑空する。翼の先まで、光の線で描かれたまま。
水深 1000M / MIDNIGHT ZONE
真夜中が、
永遠に続く場所。
太陽は、もう届かない。あるのは生きものたちが自らつくる光だけ。全生物の8割がここで発光すると言われる。銀色の帯となった魚は、リュウグウノツカイの伝説をなぞって、暗闇にたった一本の線を引いていく。
- 水温
- 4°C
- 光量
- 0 %
- 静寂
- ∞
水深 4000M / ABYSSAL ZONE
自ら光るものだけが、
出会える。
深海平原。数センチ先も見えない完全な闇のなかで、チョウチンアンコウは小さな提灯をかかげる。それは獲物を誘う罠であり、同時に、誰かに見つけてもらうための合図でもある。光ることは、ここでは呼吸と同じ意味を持つ。
水深 6500M / THE FLOOR
すべての光は、
いつか底に着く。
長い潜行の終わり。やわらかい泥の上には、地上から落ちてきたものが静かに埋まっている。誰かの机、誰かの輪、そして、誰かの金魚鉢。魚は元のかたちを思い出し、沈んだ鉢の上で、しずかに揺れている。ここが、この光のふるさとだった。
FIN ― また、水面で。